福山市の下水道管 AIで腐食リスクを可視化——Hmcommが来年3月まで実証、硫化水素や管内の音を計測

科学・技術

Hmcommの発表資料の表紙。「広島県福山市でAI実証を開始」とある(Hmcomm株式会社)
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福山市の下水道管で、AIを使って腐食しやすい場所を絞り込む実証が始まっている。東京のAIベンチャー、Hmcomm(エイチエムコム)が10月2日に発表した。

どんな実証なのか

きっかけは、広島県の「The Meet 2026 広島オープンアクセラレーター」。県内の自治体が課題を出し、企業が解決策を提案する仕組みで、福山市は「下水道管の無人インフラ点検・診断」を課題に挙げていた。そこにHmcommの「AIによる下水道腐食リスク可視化と重点点検支援」が採択された。

やることは2段構えだ。まず、管路の情報、点検や修繕の履歴、腐食の履歴、建物や地形、管の落差や合流といった既存のデータを分析して、腐食や硫化水素が出やすい候補地点を割り出す。次に、選んだ地点で硫化水素、溶存酸素、水位・水温、管の中の流水音を測り続け、AIで腐食リスクを推定して地図のように見える形にする。

期間と背景

同社の説明では、実証期間は2026年10月から2027年3月まで。3月に成果をまとめる予定だ。Hmcommは滋賀県守山市で、水道管のデータと音のAI解析を組み合わせて漏水の場所を絞り込む実証を進め、実際に複数か所で漏水を見つけたという。その「広く分析して、危ない所だけ重点的に見る」考え方を下水道に持ち込む。

下水道管は、汚水から出る硫化水素がコンクリートを傷め、そこから劣化が進む。管の中の点検は危険で人手もかかるので、すべての管を同じ頻度で見るのは難しい。

どう見るか

去年、埼玉県八潮市で下水道管の破損が原因とみられる道路陥没が起きてから、下水道の老朽化は他人事ではなくなった。限られた人と予算で、どこから先に見るかを決めるのは理にかなっていると思う。

ただ、AIが出すのはあくまで「危なそうな場所の候補」だ。福山市がこの結果を実際の点検計画にどう生かすのか、来年3月のまとめで市の側からも説明があるといい。下水道は使用料で維持している施設なので、点検の効率化がそのまま市民の負担を抑えることにつながってほしい。

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